今回GOMITAIJIでは、内装仕上げ材「モイス」の廃材を活用して、小田原で長年続けられている藻場再生活動に参加させていただきました!
きっかけは双日建材さんからいただいた相談でした。 双日建材さんが取り扱う、アイカ工業の壁面材「モイス」は、けい酸カルシウム板をベースに珪藻土やバーミキュライトなどの天然鉱物を配合した優れた建材なのですが、製造工程でどうしても多くの端材が発生してしまうとのこと。
この素材の特性を詳しく調べてみると、多孔質構造で水分調整能力が高く、しかもpH中性で海水との相性も良好。さらに天然鉱物を含んでいることから、海洋環境にも優しい。 「これは藻が根を張るのに最適な素材になるのでは?」と思い至りました。
実験場となる海を探していた私たちは、様々なツテをたどって小田原の老舗蒲鉾製造販売会社「籠淸」の石黒専務にたどり着きました。
地元小田原の海では近年、「磯焼け」現象により藻場が消失し、魚介類が減少。アワビやサザエの漁獲量にも影響が出始めているという深刻な状況でした。
「地元の海を何とかしたい」という石黒専務の強い想いから、小田原市役所の水産海浜課につなげていただき、既に市が支援している小田原藻場再生活動組織(代表:野瀬晃治さん)の活動に参加させていただけることになったのです。
小田原藻場再生活動組織の漁業者・ダイバーの皆さんは、長年にわたって地道な再生活動を続けてこられました。 小田原藻場再生活動組織では、毎年様々な手法を試しており、その一環で牡蠣殻等を充填した漁礁にカジメを着床させる手法を検討していたそうです。
私たちGOMITAIJIは、牡蠣殻に代わる新たな選択肢としてモイスを提案。その多孔質構造と天然鉱物という特性が、藻場再生に貢献できるのではないかと考えました。
9月18日、ちょうどカジメの胞子が海中に放出される時期に合わせて、小田原藻場再生活動組織の野瀬さん・ダイバーの皆さんのご協力のもと、モイス廃材を藻場礁のかごに括り付けて海底に設置していただきました。
実際に藻が着床するかどうかは、来年1月以降にならないと確認できませんが、建材の端材がアップサイクルされ、海の再生に貢献できる可能性を秘めているというのは、とてもワクワクする取り組みです。
今回のプロジェクトは、小田原で続けられてきた藻場再生活動に、私たちGOMITAIJIがモイス廃材のアップサイクルという形で参加させていただいたものです。
地域の漁業者やダイバーの皆さんが積み重ねてきた知見と努力があってこそ、このような検証の機会をいただくことができました。建材業界が目標とするリサイクル問題と、水産業界が直面する環境問題を結びつける、素晴らしいコラボレーションだと考えています。
GOMITAIJIは、これからも会員企業の皆様と共に、「ゴミ」として扱われてきたものに新たな価値を見出し、様々な分野の方々と協力しながら、持続可能な社会の実現に向けた活動を続けてまいります。 来年の春にはモイス廃材にカジメが生育することを楽しみに、プロジェクトの経過を随時報告させていただきます!